既に気の緩みか?次年度予算案に疑問

今年もあとわずかとなりました。来年に向けて明るい見通しを立てたい時期でもあります。果たして、どんな年になるのでしょうか?

12月21日、2014年度の政府予算案が与党で承認されたとのことです(24日に閣議決定)。一般会計規模は歳出が約95兆9千億円と今年度の92.6兆円を大幅に上回り、過去最大になる見込みとのこと。前回の消費増税翌年度の税収が増えるどころか減ったことを忘れてしまっているのでしょうか?

まず歳出面では、高齢化に伴い社会保障費の総額は5%膨らみ、初の30兆円の大台に。一方、公共事業費は13%増の約6兆円と2年連続で増加。対中国などの警戒体制強化を受け、防衛予算も2.8%程度の増加、これも2年連続。(古き時代の自民党政権の手法復活?)

一方の歳入面は、消費増税で4兆円強、これに法人税など含め全体で今年度より7兆円近く伸び、50兆円となる見込みとのこと。(一方、新規国債の発行額は4%減の41兆3千億円になる。)

皆さんはどう思われるますか? 私には、とても1000兆円の累積債務を抱えた国の予算とは思えません。今の日本は家計に例えると40万円の給与で80万円の支出を続けていることになります。仮に給与が50万円に増えるからと言って、毎月100万円の生活を送るのは、はっきり言ってクレージー。収入が増えるのであれば、その分で借金を減らすことが優先です。つまり、歳入が増えても予算規模は抑え、債務返済に努めるのです。累積債務をどうやって解消するかの具体策がまるで示されていません。国債の発行が減らせた程度ではダメなのです。

今の国家財政にとって重要なことは、①歳出削減、②歳入拡大、③累積債務の解消です。

ですから①におては高齢化にともなう社会保障費の膨張を抑えることも重要課題ですし、②においては短期的には景気拡大ですが、長期的な視野では人口減に歯止めをかけるべく少子化対策に予算を投入し、歳入維持を図ることが重要課題であり、③については累積債務を他の先進国並みに減らすことは国の信頼にかかわる重要な課題なのです。客観的な視点を失わないようにしましょう。

長期ビジョンの語れる信頼できるリーダーが出てこなければ、日本の未来は明るくならないと思います。アベノミクスという短期のカンフル剤で浮かれている状況ではありません。

2013年12月22日

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