深刻な人口減少時代に思う
日本の人口減少が本格化してきています。
総務省が発表した2014年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は13年に比べ21万5000人減って1億2708万3000人。
これは4年連続の減少で、2008年のピークから約100万人減った。人口が減るということは「出生児より死亡者が多い」ということ。いわゆる「年間の自然減」は1951年以降、初の25万人台に達し、少子高齢化が加速する現状を浮き彫りにしている。
自然減となったのは8年連続で、2014年は25万1000人と過去最大。1年間の出生児数は前年比2万2,000人減の102万3000人と最も少なく、1年間の死亡者数は127万4000人。一方、1947~49年生まれの「団塊の世代」が65歳以上となり、高齢化が一気に進んでいます。
労働力の中核となる15~64歳の生産年齢人口は116万人減の7,785万人。総人口に占める割合は61.3%で低下し続けている。
65歳以上の高齢者(老年人口)は110万2000人増え、10月時点では3300万人を突破。総人口に占める老年人口の割合は26.0%。75歳以上の割合は12.5%に達し、それぞれ過去最高。
日本の老年人口の割合は1950年以降、一貫して上昇し、2013年に初めて25%を超えた。総務省のまとめによると、老年人口の割合は他先進国と比較しても突出している。
一方で、景気の回復を背景に、入国者数は出国者数より3万6000人多くなり、2年連続で上回った。内訳でみると、日本人は入国者数より出国者数が2万3000人多い。外国人は入国者数が出国者数を6万人上回っている。
ちなみに、都道府県別の人口増減率では、増加は東京都(0.68%)、沖縄県(0.40%)、埼玉県(0.23%)、神奈川県(0.19%)、愛知県(0.17%)、千葉県(0.08%)、福岡県(0.03%)の7都県のみ。減少は40道府県にのぼり、秋田県(-1.26%)や青森県(-1.08%)が特に低かった。
さて、人口減少が本格化する中で、世界人口は72億人で増加傾向にあります。1位の中国2位のインドそして合衆国、インドネシア、ブラジルまでが人口2億人以上となっている。
日本の問題は、人口減少を招いている日本の少子化。少子化の原因は、いったいなんでしょうか?改善する見込みはあるのでしょうか?
以前、形成外科医から春日大社の宮司 になられた葉室 賴昭(1927 – 2009)さんが、著書の中で人口が減ることについてこんな話をされていたことを覚えています。
人類の歴史の中で、滅んでいった多くの民族の共通点は、一言でいえば「その存在意義を終えたことによると言えます。」と述べられていたと記憶しています。
私はこの話に少しショックを受けました。「もし仮に、日本の人口が今後減り続けるとしたら、日本人の世界における存在意義が薄れている ということになるのではないか?」
そう感じたのです。
国の予想するような50年後に9千万人を大きく割り込む時代が来るとしたら、これは大変深刻な話として、我々は受け止めなければなりません。
自然界には「適者生存」という法則が存在します。これは、個人においても同じです。
変化する環境を感じ取り、自分自身の存在意義が薄れないようにすることは、現代社会の我々個人にとっても大切なキーワードです。
日本人が変わりゆく世界の中で、どう貢献していけばいいのかを模索しながら、新しい価値を構築することが、ひいては人口問題の解決策になるのではないかと感じています。